新型コロナ第3波の状況分析と対策は?

 新型コロナウイルス感染症の第3波の感染拡大が,東京都と首都圏を始め,北海道,大阪,愛知などの主要都市にも生じ,医療体制が逼迫しつつあります.この状況に鑑み「東京都における新型コロナウイルス感染症流行の最近の状況分析と対策について」と題する論文をまとめました.ます第1波から第2波の収束期までと11月から始まった第3波の状況を,SIR理論に基づく自粛率(感染率)βと検査・隔離率感染状況状態線図を用いて概観しています.次に第3波の日毎新規陽性者数の増加傾向と今後の予測計算を行い実際値とを比較しています.現状では,12月3日には新規陽性者数の山は越えつつあり12月は収束期となること,1週間の減少度を1/1.2, 1/1.4倍にするには 11月4日の状態から検査人数をそれぞれ3475,4633人増加すれば可能であるを予測しています.しかしこれまで検査・隔離体制と医療体制への強化と経済的援助が十分に行われなかったために中等・重症者も増加し,特に医療体制要員が逼迫しており,自粛を強化して感染率自体を減らす必要もあります.本論文では,コロナ感染症を抑圧しつつ社会・経済活動を維持していくためにはどれだけ検査人数を上げる必要があるか,またその方法の限界は何なのかについても解析しています.

多くの皆様,特に行政の方々に読んでいただくことを希望します.

  12月6日に,12/1~12/4までの新しいデータを加えた更新版を掲載しています.

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東京都の新型コロナウイルス感染症流行の解析とその抑圧対策法の提案

 新型コロナウイルス感染症の第2波の感染拡大が,東京都と首都圏を始め,大阪,愛知などの主要都市にも生じています.この度,このブログに6月15日に公表した第2報論文を改訂した論文「東京都の新型コロナウイルス感染症流行に関する解析と抑圧対策について」が,日本機械学誌8月号のWEB論文に掲載されました.この論文では,東京都の7月末における感染拡大状況に対して,社会・経済活動の自粛とPCR検査数をどの程度に強化すれば日毎陽性者および市中感染者を抑圧することができるかについて詳しく論じています.また6月15日の第2報のブログ論文にあったSIR理論との不整合点を修正しました.この結果,前報より少ない自粛率とPCR検査数で感染拡大が抑圧できることになりました.またPCR検査・隔離体制を強化することによって,新型コロナ感染を十分抑圧しながら,かなり自由な社会・経済活動ができることも明らかにしています.日本機械学会誌8月号に寄稿したWEB論文「東京都の新型コロナウイルス感染症流行に関する解析と抑圧対策について」に関する紹介文(2頁)は日本機械学会誌のURL

https://www.jsme.or.jp/kaisi-volno/no-1221/

 で見ることができ,またWEB論文自体はURL

https://www.jsme.or.jp/activity-to-covid19/20200810

で見ることができます.

我国が新型コロナ感染症流行をいち早く克服するために,コロナ対策に携わる方々を始め多くの人たちに読んでいただきたいと思っています.

東京都における新型コロナ流行の解析と今後の対策法について

東京都のコロナ流行過程を科学的に分析し,今後の対策法を提案した新論文です

  東京都の新型コロナウイルス流行は約1か月半の社会・経済活動の自粛により3月半ば頃の状況まで抑圧され,今後再燃を防ぎつつ社会・経済活動の復活が探索されています.本論文では,東京都におけるコロナ流行の拡大・縮小の全過程をSIR理論により分析し,感染率と検査・隔離率の値がどのように変化してきたのかを明らかにしました.また今後再燃を防ぎつつ実現可能な社会・経済活動のレベルを検査・隔離率との関係において明確にしました.更に限られた検査・隔離率条件下で再燃の山を小さく抑えながら社会・経済活動のレベルを制御する方法と,大幅に検査・隔離体制を強化することによって,完全に新型コロナを抑圧する対策法も示しました.多くの方々に読まれることを願っています.

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東京都における新型コロナ流行の分析とその対策法

感染症流行の理論に関しては素人ですが,工学分野の数理解析を生業にしてきた研究者として,国難とも言うべき新型コロナ流行に鑑み,その基本モデルを用いて,検査・隔離の重要性を分かりやすく解説しました.また感染症流行に関するSIRモデルにより,東京都における新型コロナの陽性者数の拡大期と非常事態宣言後の減少期における感染率と検査・隔離率の変化を分析しました.我が国では5月より検査・隔離を含む医療体制の拡充政策が打ち出されましたが,なお医療体制はひっ迫しているとして緊急事態宣言が延長されました.そして5月20日現在,経済的危機を避けるために,首都圏と近畿圏における非常事態宣言の解除が段階的になされようとしています.検査・隔離体制の充実を図り,3密を避ける新生活様式をとるならば,自粛は段階的に解除できるのではないかというのがこの小論文の結論です.多くの方々のご意見を希望します.

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