東京都における新型コロナ感染症第5波の感染拡大縮小過程の解析に関する国際英論文とその邦論文の紹介

昨年12月2日,「はてなブログhttps://kyono.hateblo.jpに,「東京都のCovid-19第5波 感染拡大・縮小過程のSIR理論解析」と題して,11月末の東京都の最新感染動向のデータに基づき,「東京都における新型コロナウイルス第5波の感染拡大・縮小の主要因の分析」と題するPDF論文を掲載しました.その後この英訳論文を作成し,12月13日にOpen accessのonline国際誌[International Journal of Epidemiology and Health Sciences (IJEHS)](Top 30 Epidemiology Journals によれば2番目)に投稿したところ,3人のReviewersから頂いたCommentsを考慮して規定様式に合わせた修正論文が今年の1月23日に受理され,3月発行のVol.3, Issue 3 , March 2022にPublishされました.Reviewerの中には私が推薦した日本の感染症理論の第1人者である西浦博氏も含まれているはずです.

 オミクロン株による第6波の日毎陽性者は第5波の4倍近くに拡大してしまいましたが,第6波の拡大を招いた要因も第5の分析から示唆が得られます.国際的にも感染症の専門家から評価いただいた(Reviewer 3からはCongratulationの言葉をいただきました)第5波の解析に関する英論文は

http://www.ijehs.com/

からVol. 3, Issue 3の最初の論文 ”Numerical Analysis of the Fifth Wave of COVID-19 epidemic in Tokyo, Japan”として入手することができます.英論文では,Reviewer 3からのCommentにより,既存の感染症理論に対する問題点を指摘し,本解析で用いているIR理論の正当性をDiscussionで追記しています.このため12月に掲載した日本語論文に5.考察の章を加えて英論文の内容に対応させた改訂版をここに掲載します.

 オミクロン株による新型コロナは,感染率は高いものの重症化率が低下し(ただし検査・隔離効率の向上に起因する可能性もあります),With コロナの可能性も見えてきました.人々の意識もマンネリ化しつつありますが,最も簡明で感染症の本質をとらえたIR理論が専門家や行政の方々はもとより一般の方々にも理解されることを祈念してここに掲載します.なお,英論文も添付しました.              小野京右(東京工業大学名誉教授)

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